過払訴訟の事例
後見人制度とその事例

過払訴訟の事例

男性Aさん(65歳)の事例
平成18年某月、Aさんの妻B子さんから次のような相談を受けました。
B子さんは自宅を売って、その資金で夫Aさんの作った借金を返済したいとのこと。
夫のAさんは消費者金融への借金返済などで精神的に追い詰められ、体調を崩し入院生活を強いられているのだそうです。
当事務所の司法書士SがAさんと面談し事情を聞くと、消費者金融6社から合計約760万円もの借金があるとのこと。
Aさん夫妻の一ヶ月の収入は年金を含め、約25万円ほど。
しかし、消費者金融各社への毎月の返済が合計約23万円。
Aさん夫妻はその他、住宅ローンも抱えています。
現状ではとても支払っていける状況ではありません。
司法書士Sは消費者金融各社に対して「受任通知」(司法書士SがAさんの債務整理代理人となったことを債権者に知らせる通知)を発送。
この「受任通知」によってAさんへの取立てが止まります。貸金業法上、借金の取立が禁止されるので、この時点でAさんは精神的にかなり楽になります。
同時に司法書士Sは、消費者金融各社に対してこれまでのAさんとの借金の取引履歴の資料を請求し、Aさんはいくら借入をして、いくら返済したかを調査します。
請求した資料をもとに、利息制限法所定の金利(15~20%)でAさんの借金を再計算し、消費者金融会社の約定金利である29.2%との差額を元本に充当することによって、残債務の額が減少します。
この調査によって、Aさんは金融会社との取引がかなり長いことがわかり、払わなくてもよい借金の返済をしていた。つまり過払い金があることが判明。
Aさんは消費者金融との取引が一番古いもので平成元年。
何年もの間、利息制限法(法律で定められた金利で15~20%)を越えた利息29.2%で支払っていることになります。
利息制限法を越えて支払った金利に関しては本来支払う義務はありません。
利息制限法でAさんの借金の返済すべき金額を計算し直すと、Aさんの借金はすでに完済していることになります。しかも、Aさんが払い過ぎている金額は消費者金融6社に対して合計約785万円。
司法書士Sは消費者金融6社に対して、Aさんが払い過ぎた約785万円を取り返すために返還請求訴訟を起こしました。 最終的に消費者金融6社と和解が成立し、Aさんに対して720万円が返還されることになりました。
Aさんは760万円もの借金があると思いつめていましたが、結果として720万円もの金額が返ってくることになり、自宅を手放すことなく、現在は体調も回復しています。
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後見人制度とその事例
相続人が認知症にかかっている場合
(亡)夫A(被相続人)
相続人は以下3名:妻B、長男C、長女D

夫Aさんの死亡により、相続人B、C、Dの3名が相続人となりました。
故・夫Aさんには相続財産として、Aさん名義の土地、建物の不動産があります。

民法の規定に従った法定相続によると、相続分はBに二分の一、Cに四分の一、Dに四分の一の相続分があるが、A夫妻と同居していたCが遺産分割協議によってこの不動産を相続することにしたいのです。
しかし、相続人Bさんは認知症により自分で正常な判断ができなくっています。
この場合は、Bさんは単独では遺産分割協議に参加できないことになります。
なぜなら、認知症の方は意思能力がないとみなされ、意思無能力者のした法律行為(遺産分割協議など)は無効となるのです。
よって、Bさんには後見人の申立が必要になります。
Bさんの後見人選任を家庭裁判所に申立をし、後見人がBさんのかわりに遺産分割協議に参加することになります。

当事務所では、家庭裁判所への後見人選任の申立についての書類作成などについてもサポートさせて頂いております。
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